この上ない幸福感

VISAカードの今月号の冊子に面白い記事が掲載されていました。

左脳が脳出血で機能低下して、8年間、右脳を中心に
生活をされた脳科学者ティラー博士の話です。



「彼女は空間の広がりと時間の流れを認識することが
 できなくなってしまった。身体の境界が消え、身体が
 流れているような感覚に陥ったという。また、「今」この瞬間だけ
 しか存在しなくなり、時系列で出来事を並べることもできない。

 ティラー博士の体験で興味深いのは、空間の広がりや時間の流れ、
 という誰でも当たり前に存在すると思っていることが、実は
 人間の左脳が作り出した「概念」に過ぎず、宇宙に元から備わって
 いるものではない、という点だ。

 言葉も空間も時間も、すべて人間の左脳が作り出した「創造物」
 であり「想像物」なのだ。

 ティラー博士は、左脳が働かなくなり、右脳だけによる世界の認識を
 「この上ない幸福感」と形容している。それまで左脳が司っていた
 細かいことへのこだわりや、理屈や、言葉での闘いのような仕事から
 開放され、彼女は別の自分に目覚める。 」(竹内 薫さん作)



ここを読んだとき、深く合点がつきました。

”未来を憂い、過去を悔い、あるいは過去の栄光を偲んでいる時間が
なんと多いことか、今この瞬間を大事に生きましょう”、ということを
いろんな本でも読み、私もいろんな事例を挙げながら
ブログにも書いてきたことだったのですが、
頭(左脳)で理解しても、右脳が働いていなかったら
無理な話だったのですね。


左脳が働かないと、スケジューリングもできないし、勿論言葉が
分からなくなったら大変です。左脳は左脳でとっても大事ですね。
(左脳さん、ありがとう!)


けれど、私たちは左脳を開発する教育の方を受けてきて、右脳開発の
授業はとても少ない(音楽や美術など)ので、
多くの人が左脳を中心に思考し、行動しています。


ということは、やはり、右脳をトレーニングしてもっと活発にするように
する、ということが必要なんですね。
そうすると、無意識に「今」に生きる瞬間が増えていくことになります。


こうやって頭(左脳)で理解し、残像トレーニングとかで右脳を鍛え、
本当に全脳を使って日々を生きていけるようになると、
「この上ない幸福感」を感じながら生きていけるようになるのではないかと
希望が持てます。


脳の研究が最近盛んになって、いろんなことが判明して
有難いですね。